望洋の猫

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ネコのニャーはなんのため?【論文読み】

引用

Prato-Previde, E., Cannas, S., Palestrini, C., Ingraffia, S., Battini, M., Ludovico, L. A., ... & Mattiello, S. (2020). What’s in a Meow? A Study on Human Classification and Interpretation of Domestic Cat Vocalizations. Animals, 10(12), 2390.

解説

ネコの鳴き声のうち、「ニャー」(meow)は他の動物の鳴き声と比べて不思議な特徴を持ちます。まず、ネコ同士でニャーはほとんど話されません(例外は仔猫から親猫)。ネコの直接の祖先種であるリビアヤマネコもほとんどニャーとは言わず、そのニャー自体はネコよりもかわいく聞こえません。だとすると、ヒトとおしゃべりするためでしょうか? しかし、ネコ独自の文法があるわけではないようです。なぜならば、飼い主以外はネコのニャーが何を意図しているのか聞き分けられないらしいのです。飼い主の場合はできるのですが文法のような規則性はなく、一緒に暮らしてきたなかで生まれた符丁のようなものだという説もあります。

この研究では、もう1つおもしろい観点を加えました。共感性が高い人(他人の感情をより理解できる人)は、ネコの感情をもよく理解できるのでしょうか。

実験では、ネコちゃんの首輪にイヤホンマイクがつけられており、Bluetoothによってオンオフをすることができます(例によって図1はネコの写真です)。結果としては、ヒトはあまりネコの言っていることを理解することができませんでした(正答率は全体的に低かったです)。一方で、女性、ネコを飼っていた人、ネコと一緒に育った人、ネコへの共感性が高い人は高い正答率を示したそうです。

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